「最近、少しの距離を歩くのもつらくなってきた」「腰が痛くて、立ち上がる時や歩き出す時に思わず声が出てしまう」――80代を迎え、このような腰痛や歩き方の悩みを抱えている方は少なくありません。
若い頃には感じなかった体の変化に戸惑いを感じているかもしれません。
特に、骨盤や股関節の動きが硬くなると、無意識のうちに腰に負担のかかる姿勢や動作になってしまい、痛みが増す悪循環に陥りがちです。
この悪循環を断ち切り、もう一度、シャキッと真っ直ぐ立つ感覚を取り戻すためには、股関節を正しく使い、「骨盤を捻らない」優しい歩き方と、負担の少ない立ち方を身につけることが鍵となります。
この記事では、あなたの真っ直ぐ立つための筋肉を「目覚めさせる」、具体的な動作のコツと簡単な運動をご紹介します。
腰痛を招くNGな立ち方・歩き方
股関節が使えない「すり足歩き方」
多くの80代の方が悩まれる「少しの距離も歩けない」という問題の裏には、実は歩き方の変化が隠れています。
特に腰に負担をかけるNGな歩き方として挙げられるのが、「すり足歩き」です。
これは、足をあまり持ち上げずに、床をこするようにして進む歩き方です。
すり足歩きになると、本来、足を踏み出す際に大きな力を発揮するはずの股関節周りの筋肉が十分に機能しなくなります。
股関節がしっかりと使えないと、代わりに腰や膝の関節に過度な負担がかかってしまいます。
特に、体を前に進める推進力を得るために、無理に上半身を前に倒したり、骨盤を過度に左右に振ったりする代償動作が起こりやすくなります。
このような代償動作は、骨盤周辺の不安定さや、腰部への持続的なストレスとなり、結果として腰痛の悪化や、痛みのために距離を歩けない状態を引き起こす原因となります。
さらに、すり足歩きはつまずきの原因にもなりやすく、転倒のリスクも高めます。
安全で快適な移動のためにも、この股関節を使えていない歩き方を見直すことが重要です。
次に紹介する立ち方のチェックもあわせて行い、ご自身の体の使い方を客観的に把握してみましょう。
正しい股関節の使い方を学ぶことが、腰の負担を減らす第一歩となります。
腰痛を引き起こす「悪い立ち方」
歩き方と同様に、日常生活で無意識に行っている立ち方も、腰痛に大きく関わってきます。
腰に負担のかかる立ち方の典型例は、「反り腰」と「猫背」の組み合わせです。
股関節や腹筋群などの体幹の筋肉が弱まると、真っ直ぐ立つことが難しくなります。
特に80代の方に見られやすいのが、骨盤が前に傾き、そのバランスをとるために背中を丸め(猫背)、結果として腰が必要以上に反ってしまう(反り腰)という姿勢です。
この「反り腰+猫背」の立ち方は、腰椎(腰の骨)に常に強い圧迫と Shear Stress(せん断応力)をかけることになります。
これは、長時間腰に重い負荷がかかり続けているのと同じ状態です。
本来、体重を効率よく支えるべき股関節が機能せず、すべての重みが腰に集中してしまうため、腰痛が発生しやすくなります。
負担の少ない立ち方とは、耳、肩、骨盤、膝、くるぶしが一直線上に並ぶ姿勢です。
この理想的な立ち方を意識することで、体全体の重さが分散され、腰への局所的な負担が大きく軽減されます。
鏡などでご自身の立ち方をチェックし、「反り腰」や「猫背」になっていないか確認してみましょう。
股関節を意識して、骨盤をニュートラルな位置に保つことが、負担の少ない立ち方への第一歩です。
骨盤のねじれが招く腰痛の連鎖
腰痛の原因として非常に重要視されるのが、骨盤の安定性です。
骨盤は上半身と下半身をつなぐ体の土台であり、ここにねじれや歪みが生じると、その影響は全身に波及します。
特に距離を歩けないほどの腰痛を抱える80代の方の場合、「骨盤を捻らない歩き方」ができなくなっていることが多いです。
本来、歩く時には骨盤は左右交互にわずかに回旋しますが、股関節の動きが硬いと、その回旋が過剰になったり、不自然な方向へねじれたりします。
例えば、一歩踏み出すたびに骨盤が大きく回旋してしまうと、それに連動して腰椎もねじれ、椎間板や関節に繰り返しのストレスがかかり、腰痛が悪化します。
また、骨盤周りの筋肉(特に腹筋群や大臀筋)が弱くなると、骨盤をニュートラルな位置に保つ力が失われ、立ち方も歩き方も不安定になります。
骨盤が前傾しすぎたり(反り腰)、後傾しすぎたり(猫背)することで、股関節が使いづらくなり、結果として腰の筋肉に頼らざるを得なくなります。
このような骨盤の不安定性やねじれを解消し、「真っ直ぐ立つための筋肉が目覚める」ようにするためには、骨盤周りのインナーマッスルを優しく刺激することが効果的です。
次の段落では、この骨盤と股関節を連動させるための具体的な方法を紹介します。
正しい骨盤の意識を持つことが、負担の少ない立ち方と歩き方を習得する基盤となります。
股関節の使い方で腰痛を解消!
負担の少ない立ち方:股関節を折る
負担の少ない立ち方の極意は、「股関節を意識的に使うこと」にあります。
多くの腰痛持ちの方は、立ち座りの動作や、立っている時も膝や腰の力に頼りすぎており、股関節が十分に機能していません。
特に80代の方で「よっこいしょ」と声が出てしまうのは、股関節を使わず、腰を丸めるか反らせるかで動作を完結させているサインです。
負担の少ない立ち方への第一歩として、「股関節を折る」感覚を習得しましょう。
これは、お辞儀をする時のように、背筋を伸ばしたまま、股関節の付け根から体を前に倒す動作です。
膝は少し曲げても構いませんが、意識はあくまで股関節に集中させます。
この動作を行うことで、真っ直ぐ立つための筋肉が目覚めるきっかけとなり、特に股関節を支える大臀筋やハムストリングスなどの大きな筋肉が使われるようになります。
この筋肉が活動することで、立ち上がりや立ち方において腰への負担を大幅に軽減できます。
例えば、椅子から立ち上がる際も、「腰からではなく、股関節から立ち上がる」と意識を変えるだけで、腰痛の軽減につながります。
具体的には、座面からお尻を上げる瞬間、膝よりも先に股関節を前に押し出すようなイメージです。
これにより、重い上半身を腰ではなく、強靭な股関節周辺の筋肉群で支えることができるようになります。
骨盤を安定させる股関節の動かし方
股関節は、骨盤と太ももの骨をつなぐ体の中で最も大きな関節であり、歩き方や立ち方の安定性に不可欠です。
腰痛を軽減し、距離を歩けるようになるためには、この股関節を前後左右に滑らかに動かせるようにすることが重要です。
特に、骨盤を安定させた状態で股関節だけを動かす練習は、「真っ直ぐ立つための筋肉が目覚める」ためのカギとなります。
簡単なエクササイズとして、仰向けに寝て、骨盤が動かないように注意しながら片膝を胸に引き寄せる動作(ニー・トゥ・チェスト)があります。
この時、骨盤が床から浮き上がらないように腹筋で支える意識を持つことが大切です。
また、立って行うエクササイズとしては、壁や椅子の背もたれに手を添え、骨盤を動かさずに片足を振り子のように前後に優しく振る動作(足振り運動)があります。
これらの運動は、股関節の可動域を広げ、同時に骨盤を支えるインナーマッスルを刺激し、安定性を高めます。
股関節がスムーズに動けば動くほど、歩き方において腰のねじれが少なくなり、「骨盤を捻らない歩き方」が自然と身につきます。
股関節の動きが改善されれば、一歩ごとの推進力が向上し、距離を歩ける自信にも繋がります。
毎日の生活の中で少しずつ取り入れ、股関節の力を呼び覚ましましょう。
骨盤を捻らない歩き方のコツ
腰痛の原因となる「骨盤のねじれ」を抑え、「距離を歩けない」という悩みを解消するための鍵は、「骨盤を捻らない歩き方」の習得にあります。
この歩き方の最大のコツは、足の「着地」と「蹴り出し」の瞬間にあります。
まず、着地の瞬間には、かかとから優しく地面に着き、その重さを股関節で受け止めるイメージを持ちましょう。
この際、体が左右に大きく揺れたり、骨盤が過度に前に出たりしないよう、真っ直ぐ立つ時のように体幹を意識します。
次に、足を蹴り出す瞬間です。
多くの腰痛持ちの方は、この蹴り出しで股関節を使えず、足の力だけで蹴り出そうとして骨盤をねじってしまいます。
正しい動作は、後ろ側の足の指先で地面を軽く押し、その推進力を股関節の伸展(後ろに伸ばす動き)によって得るというものです。
このとき、お尻の大きな筋肉(大臀筋)を使う意識を持つと、自然と股関節が伸び、骨盤の不必要な回旋を防ぐことができます。
また、「歩幅を少しだけ広げる」ことも、骨盤を捻らない歩き方に繋がります。
歩幅を広げることで、股関節を大きく動かす必要が生じ、自然と股関節周辺の筋肉が活動するよう促されます。
これらの歩き方のコツを意識することで、腰への負担が減り、腰痛の軽減、そして距離を歩けるようになるための大きな助けとなるでしょう。
焦らず、一歩一歩を丁寧に意識しながら取り組んでみてください。
真っ直ぐ立つための筋肉を目覚めさせる
股関節ストレッチで立ち方を改善
真っ直ぐ立つための筋肉が目覚めるためには、まずその筋肉を動かしやすくする準備が必要です。
特に立ち方の安定に不可欠な股関節周りの柔軟性が、80代の方の腰痛や距離を歩けない原因となっていることが多々あります。
股関節が硬いと、負担の少ない立ち方をしようとしても、体がその姿勢を保持できず、すぐに腰に頼った姿勢(反り腰や猫背)に戻ってしまいます。
そこで、無理なくできる股関節ストレッチを毎日のルーティンに取り入れましょう。
一つは「腸腰筋(ちょうようきん)」という、股関節を曲げる重要な筋肉のストレッチです。
これは、片膝立ちになり、後ろに引いた足の股関節の付け根を前に押し出すようにして伸ばすストレッチです。
この筋肉が柔らかくなると、骨盤の過度な前傾を防ぎ、立ち方の土台が安定します。
もう一つは、お尻の奥にある「梨状筋(りじょうきん)」のストレッチです。
椅子に座り、片足首を反対側の膝の上に乗せ、背筋を伸ばしたまま体を前に倒すことで、股関節の深部をじんわりと伸ばします。
これらのストレッチは、股関節の動きをスムーズにし、「骨盤を捻らない歩き方」や負担の少ない立ち方へと繋がる柔軟性を取り戻す手助けとなります。
腰痛を感じる場合は無理せず、痛みのない範囲で優しく行うことが大切です。
骨盤インナーを活性化:座ってできる運動
腰痛を根本から改善し、真っ直ぐ立つための筋肉が目覚める状態を作るには、骨盤を支えるインナーマッスルの活性化が不可欠です。
この筋肉群は、歩き方や立ち方の動作中、骨盤をニュートラルな位置に保ち、不必要なねじれ(骨盤を捻らない)を防ぐ「コルセット」のような役割を果たします。
特に腹横筋や骨盤底筋群といったインナーマッスルは、80代になると意識しないと使われにくくなりますが、座ったままでも安全に鍛えることができます。
簡単な運動として、「ドローイン」があります。
これは、椅子に真っ直ぐ立つようなイメージで座り、背筋を伸ばして、ゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませ、その状態を数秒間キープするというものです。
お腹をへこませることで、骨盤周りの深層筋が意識的に使われ、「真っ直ぐ立つための筋肉が目覚める」感覚を得ることができます。
もう一つは、「骨盤底筋群」を意識した運動です。
これは、排尿を我慢するように、肛門や尿道をキュッと締め付ける動作を繰り返すというものです。
これらの運動は、見た目にはほとんどわかりませんが、骨盤の安定性を高め、腰痛の軽減、そして負担の少ない立ち方と「骨盤を捻らない歩き方」の土台作りに大きく貢献します。
日常の隙間時間を見つけて、こまめに取り入れていきましょう。
歩き方の質を高める「お尻」の使い方
距離を歩けないという悩みを克服し、歩き方の質を根本から高めるには、股関節の動きを最大限に引き出す「お尻の筋肉(大臀筋)」の使い方が鍵となります。
大臀筋は、真っ直ぐ立つため、そして力強く地面を蹴り出すために最も重要な筋肉の一つですが、腰痛持ちの方は股関節をあまり使えないため、この筋肉が休眠状態になっていることが多いです。
歩き方の改善のためには、まず、この「休眠中の筋肉を目覚めさせる」必要があります。
簡単な運動は、「ヒップリフト」です。
仰向けに寝て膝を立て、お尻を天井に向かってゆっくりと持ち上げます。
この時、骨盤が左右に傾かないように注意し、股関節が完全に伸びきるところまで上げきり、お尻が硬くなっていることを確認します。
この動きで、歩き方の「蹴り出し」の瞬間に使われる大臀筋をピンポイントで鍛えることができます。
この筋肉が目覚めると、一歩踏み出すごとに股関節がスムーズに伸展し、「骨盤を捻らない歩き方」が自然とできるようになります。
また、大臀筋が働くと、腰の筋肉の負担が減り、腰痛の軽減にも直結します。
負担の少ない立ち方も、お尻の筋肉で骨盤を後方から支えることで実現できます。
この「お尻」を意識した歩き方を習慣にすることで、距離を歩ける喜びを再び感じられるようになるでしょう。
まとめ
80代の腰痛や「距離を歩けない」という悩みは、単なる老化現象ではなく、股関節や骨盤の使い方の癖が原因となっていることがほとんどです。
この記事でご紹介した「負担の少ない立ち方」のコツや、「骨盤を捻らない歩き方」を意識するだけでも、腰痛の軽減、そして行動範囲の拡大に繋がります。
大切なのは、日常生活の中で「股関節を使う」「骨盤を安定させる」ことを意識し続け、「真っ直ぐ立つための筋肉が目覚める」ような、優しい運動を継続することです。
しかし、これらの動作や運動を腰痛の痛みに配慮しながら、自分一人で正しく行うのは難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そうした方には、私たち専門家によるパーソナルなアドバイスをお勧めします。
お客様一人ひとりの体の状態や腰痛の程度に合わせて、負担の少ない立ち方や歩き方、そして股関節を効果的に使うためのオーダーメイドの運動プランを作成し、安全に指導いたします。
正しい体の使い方を学び、距離を歩ける自信と、活動的な日常を取り戻しましょう。
まずは一度、無料カウンセリングから、あなたの「真っ直ぐ立つための筋肉が目覚める」一歩を踏み出してみませんか。
コース紹介
茗荷谷駅・新大塚駅の整体院。22年の臨床経験を持つ作業療法士が、一切揉まない無痛整体で背骨の歪みを矯正。リチカ無痛整体院は神経圧迫を解放し、姿勢・自律神経の根本改善と再発防止の体づくりをサポートします。
側弯症改善整体(歪み矯正) | 茗荷谷・新大塚の無痛整体院
この記事を書いた人
茗荷谷駅・新大塚駅最寄りの整体院
RITICA無痛整体院(リチカ)院長 田中愼吾

経歴・所有資格
- 国家資格:作業療法士(厚生労働大臣認定)
- 東京手技治療研修会
ごあいさつ
私は2003年に作業療法士の国家資格を取得して以来、22年間にわたり、リハビリテーションの専門家として、多くの方々の身体と真摯に向き合い、技術を研鑽してまいりました。
長年のリハビリテーションの現場で培った知識と確かな技術をベースに、より効果の高い治療法を探求し続け、国内外の様々な整体技術や手技を習得してまいりました。
その中で、特に効果を実感したのが、人体の本来の機能を取り戻すことに着目した東京手技治療です。この技術を深く学ぶことで、身体の「ゆがみ」や「不調」の根本的な改善を数多く実現できることを体感しました。
現在では、この確かな技術でご家族やご友人など身近な方々をサポートできるようになり、その改善実績から、より多くの方の健康に貢献したいという思いで、この整体院の開業に至りました。
22年の経験に裏打ちされた安心感と信頼の技術で、皆様の「痛みの根本」を変え、より健康で快適な生活を送れるよう、全力でサポートさせていただきます。
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営業時間:9:30~18:30 / 定休日:水午後・日・祝
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