腰椎の側弯症が引き起こす坐骨神経痛と動作障害

腰椎の側弯症が引き起こす坐骨神経痛と動作障害

「腰椎の側弯症」と診断され、「坐骨神経痛」による足の痛みやしびれに悩まされていませんか?朝の立ち上がりや、日常の屈む、歩く動作に支障をきたすその症状は、単なる筋肉の張りや骨格の歪みだけでなく、神経生理学的なメカニズムが深く関わっています。
当記事は、側弯症によって神経系にどのような影響が及び、それが動作の困難さにつながるのかを、リチカ無痛整体院院長である私の視点から解説します。
なかなか改善しない腰と足の症状にお悩みの方へ、問題の根本原因を理解し、適切なケアを見つけるための一歩となる情報を提供します。

側弯症が神経系に与える影響

腰椎側弯と神経根の圧迫

腰椎の側弯症は、単に背骨がS字やC字に曲がることにとどまらず、その構造的な変化が直接的に神経系に影響を及ぼします。
特に腰椎が側方に湾曲することで、椎間孔(神経が脊柱管から出るための穴)の形状が非対称に変形します。
これにより、脊髄から枝分かれして下肢へと向かう脊髄神経根が、骨や周囲の組織によって物理的に圧迫されやすくなります。
この神経根の圧迫は、神経の電気的な伝達を阻害するだけでなく、神経周囲の血流を悪化させ、炎症性の物質が放出される原因となります。
神経の伝達が妨げられると、下肢に坐骨神経痛として感じられる痛み、しびれ、筋力低下といった症状が現れます。
神経生理学的には、神経細胞が機械的刺激や化学的刺激によって過敏になり、「異所性発火」と呼ばれる異常な興奮を起こすことで、実際の組織損傷がないにもかかわらず強い痛みを脳に伝達してしまう状態が生じます。
側弯による神経根の持続的な刺激は、この神経の過敏性を長期化させ、慢性的な痛みの原因となり得るのです。


坐骨神経痛以外の関連神経

坐骨神経痛は、主に腰仙骨神経叢から分岐するL4からS3の神経根のいずれか、またはその合流した坐骨神経自体が刺激されることで発生します。
しかし、腰椎の側弯症の影響は、この坐骨神経領域だけに留まりません。
腰椎の上部、L1からL4神経根が関与する大腿神経や、L2からL4が関与する閉鎖神経もまた、側弯による構造的歪みや骨盤の傾き、およびその結果生じる股関節周囲の筋肉の緊張によって影響を受けます。
大腿神経は太ももの前面の感覚と、大腿四頭筋の運動を司っており、これが障害されると、膝折れや立ち上がり動作の不安定性、太もも前面のしびれや痛みとして現れることがあります。
また、閉鎖神経は太ももの内転筋群の運動と太ももの内側の感覚を担っており、障害されると股関節の内転機能に支障をきたし、歩行時の安定性が低下したり、股関節の内側に痛みを感じたりすることがあります。
神経生理学的に、これらの神経も坐骨神経と同様に機械的な圧迫や血流障害によって過敏になり、症状を複雑化させる要因となります。
側弯症の根本的な問題に取り組む際には、坐骨神経痛だけでなく、これらの関連神経の関与も考慮に入れる必要があります。

神経生理学的な防御反射

神経生理学的な視点から見ると、腰椎の側弯症とそれに伴う痛みの症状は、身体が神経を守ろうとする防御反射の産物であるとも解釈できます。
側弯によって神経根に圧迫や牽引などの刺激が加わると、身体は無意識にその刺激から逃れようと、特定の筋肉を過剰に収縮させたり、姿勢を歪ませたりします。
これは、痛みを回避し、神経組織の損傷を防ぐための生体防御メカニズムです。
例えば、坐骨神経痛が出ている側の足をかばうように歩行したり、腰を曲げてしまう(疼痛性側弯)といった行動は、神経の刺激を最小限に抑えようとする反射的な反応です。
しかし、この反射的な筋収縮や代償的な姿勢は、結果的に非対称的な体の使い方を慢性化させ、特定の筋肉に過負荷をかけ、別の部位の神経にも二次的な影響を及ぼします。
具体的には、股関節周囲の梨状筋や深層の回旋筋群が緊張することで、坐骨神経自体の通り道が狭くなり、さらなる坐骨神経痛の増悪につながるという悪循環を生み出します。
この防御反射による筋の過緊張こそが、立ち上がり、屈む、歩く動作に支障をきたす主要な原因の一つであり、治療においては、この過剰な防御反応を「無痛」で解除することが、痛みの根本的な解決に繋がる鍵となります。

動作に支障が出る神経学的背景

立ち上がり動作と股関節屈筋群

立ち上がり動作は、日常生活における基本的な動作であり、主に股関節伸展筋(大殿筋など)と膝関節伸展筋(大腿四頭筋など)の強力な共同作業によって行われます。
しかし、腰椎の側弯症を抱える方々にとって、この動作はしばしば困難を伴います。
神経生理学的な観点から見ると、腰椎の歪みがもたらす骨盤の非対称な位置関係は、股関節周囲の筋肉、特に大腰筋や腸骨筋といった主要な股関節屈筋群の緊張を高めます。
これらの屈筋群は、腰椎を通り骨盤に付着しているため、側弯によって常に牽引されたり短縮したりする状態になりやすく、その過緊張が股関節の伸展(立ち上がりに必要な動き)を抑制してしまいます。
さらに、これらの筋肉を支配する大腿神経が側弯によって影響を受けている場合、大腿四頭筋の出力が低下し、立ち上がる際の「膝の伸び」が弱くなります。
その結果、身体は前方に大きく倒れ込むような、代償的な立ち上がり動作を強いられることになり、これがさらに腰への負担を増加させ、症状を悪化させる一因となるのです。
このメカニズムを理解することが、適切なリハビリテーションや整体的アプローチの第一歩となります。


歩行の非対称性と坐骨神経痛

歩行は、左右対称の体重移動とバランスが求められる連続的な動作です。
しかし、腰椎の側弯症が存在すると、骨盤の傾きや回旋が発生し、歩行パターンは非対称になります。
この非対称な歩行は、片側の足にかかる負荷を過剰にし、特に下肢へと走る坐骨神経痛の症状を増悪させる主要な要因となります。
側弯によって傾いた骨盤側では、中殿筋などの股関節外転筋の機能が低下し、歩行時の片足立ちのフェーズ(立脚相)で体幹が強く傾くトレンデレンブルグ徴候に似た代償的な歩行が見られることがあります。
神経生理学的に、このような不安定な歩行パターンは、腰仙部にかかる捻れのストレスを増大させ、すでに過敏になっている坐骨神経をさらに機械的に刺激し続けることになります。
また、痛みから逃れるために、歩幅が狭くなったり、足を引きずるような歩き方(疼痛性跛行)になることも、神経の緊張を持続させる原因です。
この悪循環を断ち切るには、単に痛む部位を揉むだけでなく、歩行時に必要な体幹の安定性(コアの機能)と股関節周囲の筋群のバランスを神経生理学的な観点から改善し、左右差のないスムーズな体重移動を取り戻すことが不可欠となります。

屈む動作と体幹深層筋の機能不全

屈む動作、特に股関節と腰椎を協調させて前方に傾ける動作は、体幹の安定性と深層筋の適切な機能が鍵となります。
腰椎の側弯症を持つ方々がこの動作で痛みを訴えるのは、深層にある多裂筋や腹横筋といった体幹の安定化筋が、側弯による構造的変化のために適切に機能しないことに起因します。
これらの深層筋は、神経生理学的には、予測的な姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustment: APA)に関与しており、動作を起こす前に無意識的に体幹を固定する役割を担っています。
しかし、側弯によって脊椎周囲の緊張に左右差が生じると、これらの筋肉のタイミングや強さに異常が生じ、屈む動作を開始する前に体幹を安定させることができなくなります。
その結果、動作の初期段階で腰椎に過度なせん断力や圧迫力がかかり、これが坐骨神経などの神経組織を刺激し、痛みを誘発してしまいます。
多くの場合、患者様は腰を丸めて「骨盤を後傾させて」屈むことを避けるために、膝を過度に曲げたり、股関節ではなく腰椎から曲げようとする代償動作が見られます。
この深層筋の機能不全を改善し、正確な屈む動作を取り戻すためには、表層の痛みにアプローチするだけでなく、これらの体幹深層筋の神経生理学的な再教育が必要となります。

神経生理学に基づいたチェック方法

坐骨神経痛の特異的な誘発テスト

坐骨神経痛が腰椎の側弯症に起因する場合、その神経的な関与を特定するためには、特定の誘発テストが有効です。
神経生理学に基づいた最も古典的で重要なチェック方法の一つがSLR(Straight Leg Raise:下肢伸展挙上)テストです。
このテストは、仰向けに寝た状態で、膝を伸ばしたまま患側の足をゆっくりと持ち上げることで、坐骨神経を伸張させます。
通常、健常な状態であれば70度程度までは足の裏側に軽いハリを感じる程度ですが、神経根の圧迫や炎症、すなわち坐骨神経痛が存在する場合、30度から70度の間で激しい痛みやしびれが誘発されます。
この誘発された痛みが、膝の裏側やふくらはぎ、足にかけて放散する場合、それは神経の機械的な感受性が高まっている、あるいは物理的に圧迫されていることを強く示唆します。
さらに、足を上げた状態で足首を背屈(足先を頭の方へ曲げる)させることで症状が強まる場合(ブラガード徴候)、神経組織そのものへの関与の確度が高まります。
これらのテストを通じて、坐骨神経痛が筋肉由来のものか、神経生理学的な圧迫由来のものかを鑑別し、適切な治療方針を立てることができます。


立ち上がり動作の定量的評価

腰椎の側弯症による機能障害を評価する上で、立ち上がり動作の質と量を客観的に評価することは非常に重要です。
神経生理学的なアプローチでは、単に「立てるか」だけでなく、「どのように立つか」を詳細に観察します。
具体的なチェック方法としては、「30秒椅子立ち上がりテスト(30-Second Chair Stand Test)」が用いられます。
これは、30秒間で椅子から立ち上がり、座る動作を何回繰り返せるかを計測するもので、下肢筋力とバランス能力の定量的な指標となります。
質的な評価では、立ち上がり動作の際の非対称性に注目します。
側弯症や坐骨神経痛がある場合、患者様は痛みを回避するために、無意識のうちに健康な側の足に体重を多くかけたり、立ち上がる際に体幹を左右どちらかに傾けたりする代償動作が見られます。
具体的には、立ち上がり時に片側の膝が先行して伸びる、または立ち上がりの頂点で腰が過度に反る(伸展)といったパターンです。
これらの非対称な運動パターンは、深層筋の協調性の欠如や、片側の神経系の出力低下を反映しており、神経生理学的なリハビリテーションの標的部位を特定するための重要な情報となります。

歩行時における感覚運動連関のチェック

腰椎の側弯症と坐骨神経痛による歩行障害を評価する際、神経生理学的な視点からは、感覚運動連関(Sensorimotor Integration)のチェックが不可欠です。
感覚運動連関とは、足裏や関節からの感覚情報(固有受容覚)が脳へ送られ、それが運動指令として筋肉に戻ってくる一連のフィードバックループのことです。
坐骨神経痛や神経根の圧迫が存在すると、この感覚情報の伝達が妨げられ、脳が現在の足の位置や関節の角度を正確に把握できなくなります。
具体的なチェック方法としては、タンデム歩行(継ぎ足歩行)や目隠し歩行などがあります。
タンデム歩行(かかととつま先を接触させて一直線に歩く)は、体幹の微妙なバランス制御と固有受容覚の精度を要求し、側弯による体幹の不安定性や神経障害による感覚情報の欠損があると、大きくふらついたり、踏み外したりします。
また、目隠し歩行では、視覚情報がない状態で、体性感覚情報のみに頼って直進しようとしますが、神経生理学的な障害があると、患側へ大きく曲がって歩行してしまう傾向が見られます。
これらのテストは、歩行における問題が単なる筋力低下だけでなく、中枢神経系における感覚と運動の統合エラーに起因していることを明らかにし、アプローチの方向性を定める上で役立ちます。

まとめ

腰椎の側弯症と坐骨神経痛による歩行障害を評価する際、神経生理学的な視点からは、感覚運動連関(Sensorimotor Integration)のチェックが不可欠です。
感覚運動連関とは、足裏や関節からの感覚情報(固有受容覚)が脳へ送られ、それが運動指令として筋肉に戻ってくる一連のフィードバックループのことです。
坐骨神経痛や神経根の圧迫が存在すると、この感覚情報の伝達が妨げられ、脳が現在の足の位置や関節の角度を正確に把握できなくなります。
具体的なチェック方法としては、タンデム歩行(継ぎ足歩行)や目隠し歩行などがあります。
タンデム歩行(かかととつま先を接触させて一直線に歩く)は、体幹の微妙なバランス制御と固有受容覚の精度を要求し、側弯による体幹の不安定性や神経障害による感覚情報の欠損があると、大きくふらついたり、踏み外したりします。
また、目隠し歩行では、視覚情報がない状態で、体性感覚情報のみに頼って直進しようとしますが、神経生理学的な障害があると、患側へ大きく曲がって歩行してしまう傾向が見られます。
これらのテストは、歩行における問題が単なる筋力低下だけでなく、中枢神経系における感覚と運動の統合エラーに起因していることを明らかにし、アプローチの方向性を定める上で役立ちます。

コース紹介

茗荷谷駅・新大塚駅の整体院。22年の臨床経験を持つ作業療法士が、一切揉まない無痛整体で背骨の歪みを矯正。リチカ無痛整体院は神経圧迫を解放し、姿勢・自律神経の根本改善と再発防止の体づくりをサポートします。

側弯症改善整体(歪み矯正) | 茗荷谷・新大塚の無痛整体院

側弯症改善整体(歪み矯正) | 茗荷谷・新大塚の無痛整体院の画像

側弯症改善整体

リチカ無痛整体院の側彎症改善整体のご紹介です。
身体の軸となる神経と背骨の流れを整えて、全身の痛み・不調・歪みの根本にアプローチします。

この記事を書いた人

茗荷谷駅・新大塚駅最寄りの整体院
RITICA無痛整体院(リチカ)
院長 田中愼吾

経歴・所有資格

  • 国家資格:作業療法士(厚生労働大臣認定)
  • 東京手技治療研修会

ごあいさつ

私は2003年に作業療法士の国家資格を取得して以来、22年間にわたり、リハビリテーションの専門家として、多くの方々の身体と真摯に向き合い、技術を研鑽してまいりました。
長年のリハビリテーションの現場で培った知識と確かな技術をベースに、より効果の高い治療法を探求し続け、国内外の様々な整体技術や手技を習得してまいりました。
その中で、特に効果を実感したのが、人体の本来の機能を取り戻すことに着目した東京手技治療です。この技術を深く学ぶことで、身体の「ゆがみ」や「不調」の根本的な改善を数多く実現できることを体感しました。
現在では、この確かな技術でご家族やご友人など身近な方々をサポートできるようになり、その改善実績から、より多くの方の健康に貢献したいという思いで、この整体院の開業に至りました。
22年の経験に裏打ちされた安心感と信頼の技術で、皆様の「痛みの根本」を変え、より健康で快適な生活を送れるよう、全力でサポートさせていただきます。

1日1名様限定

リチカ無痛整体院では初回施術を1日1名様限定の特別価格でご案内しております。
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※美姿勢整体は初回¥5,000(税込)でのご案内となります。

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